会長のメッセージ

 同志社クローバー山岳会会長就任に当たって

この春、60周年記念総会の場を以て、同志社クローバー山岳会の会長に就任させ
て頂きましたので、ご挨拶申し上げます。

ついこの間、セレモニーが終わったばかりと思っていたのに、あっという間に時が過ぎ去って おり、時間の過ぎ去る速さに愕然としておりますが、ご挨拶が遅くなりました事、全て小生の筆不精故の怠慢と思し召し ご容赦下さい。

私が入学したのは69年度、学生運動華やかな時節であり、物事の価値観、権威諸々全てが 混沌としたカオスの状態を呈していた感がありました
山の世界では、ヒマラヤのジャイアント達のノーマルルートが全て登りつくされ、バリエーション ルートの開拓や高度は低くてもジャヌーやガウリサンカール、バインターブラックなどの難壁が ターゲットとなり、又ヨーロッパアルプスではアイガーやマッターホルン、グランドジョラス等 所謂三大北壁などを極力短時間で登攀するのがテーマの時代で、かっての黄金の世紀の 輝きがやや黄昏てきたとはいうももの、それでもパイオニアの精神は横溢していた時代では ありました。

当時の学生山岳会では精神主義一辺倒の所謂シゴキが厳然としてあり、体育会的な匂いが 色濃く残っていたので、同志社では冬山、岩登りを目指し、かつ自由な雰囲気を併せ持つ 山岳同好会に入会するのに躊躇はありませんでした。
非体育会とは言え、毎年10人前後が入会し、自由闊達さを標榜しつつも、残るのは1~3人程度という程、山行のレベルは 高かったし、年間の山行日数も100日を超えるのが通常でした。
この同好会の山への志向方向は、程度の違いこそあれ、現在に至るまで60年にも亘って継続 されており、数多のクラブが廃れていく中、これは凄いことだと思います。

大学の山岳会として、今後存在し続けるために不断に問い続けるべきことが幾つかあると思い ますが、基本的に入会者が山を楽しめる工夫、運用が必須だが、自らの安全を守るべき知識、 体験、体力を徹底的に身に着ける事、そして現役の頃は只管、山に行き続ける事、今ほど自由に 恵まれたときは無く、この機会を最大限に生かせるか否かで一生で大きな宝物を得るかどうかが 決まると言って過言でない気がします。
それなりの経験で終わっても別に何事もなく時は過ぎていくし、山は逃げることはありませんが、 一生でこの時、一つの事にこれだけ集中し、貫徹出来たという自信と仲間との繋がりは何物にも 代え難いと強調しておきます。

この山岳同好会のOB組織、クローバー山岳会の会長に就任させて頂くことになったとはいえ、 今までの歴代重量級の会長方に比べると非力なのは覆うべくもありませんが、皆さんのお力を 拝借しつつ、お役に立てる事が出来れば幸甚です。
最後になりましたが、本当に永年寝食を忘れ公私に亘って会の運営にご尽力頂いた藤井正美 前会長、そして河崎勝昭、清水孝也元会長に心からの感謝と御礼を申し上げ、挨拶に代えさせて 頂きます。

2017年 9月
69年度 河村 徹